「アドベンチャーワールド」から「アジサイ曼荼羅園」へ

2018年6月4日
正直、田辺市の「アドベンチャーワールド」にはほとんど興味がありませんでした。どうせ「富士サファリワールド」の亜流だろうくらいにしか思っていなかったからです。ただ、昨年、大分の「九州サファリワールド」に行ってから、次第に認識が変わりつつありました。今回ぜひ一度……と思うようになった決め手は、ハバナの「サファリ」です。車(バスやカートもあり)に乗って、放し飼いになった動物たちに接するのも、街中にある普通の動物園とはまた違う楽しみがあるということに気がつきました。実は、先月訪れた山口県の秋吉台にもサファリパークがあったのですが、時間の関係で行けなかったので、今回を楽しみにしていたのです。

前夜泊まったホテルからは車で20分ほど。今日も朝からピーカンで、温度計のメモリもぐんぐん上昇。午前10時にはおそらく28℃はあったでしょう。「アドベンチャーワールド」は、「サファリ」の部分もさることながら、ほかに多種多様な遊戯施設があるので、1日中いても楽しめる施設です。今年で開園40年を迎えたそうで、月曜日だというのに朝からけっこうな数のお客さんが並んでいました。動物園・水族館・遊園地の3つをあわせ持つテーマパークは珍しいといいますし、それに広さがハンパではありません。

ここで有名なのはジャイアントパンダで、東京・上野動物園と違い、親と子どもたちが別々に飼育・展示されています。園内の随所にある売店もたいそう充実しており、それはそれで飽きさせません。そうしたこともあってでしょう、親子連れ、カップルはもちろん、祖父母・父母・子どもといった3世代連れの姿も目立ちます。

園内は、ケニア号という4両編成のトラムに乗って草食動物ゾーンから肉食動物ゾーンを30分ほどで回るのですが、頭数も多く、けっこう楽しめます。キリンも数頭、シマウマと一緒にいましたよ。

目と鼻の距離で観られ、しかも5頭いるのでパンダの子は本当にのびのびした様子。並んだり待ったりする必要もなく、あっけないほど簡単に対面できるので、観る側も余裕です。それがパンダにも伝わるのでしょうか、サービス精神たっぷりで、えさを食べたりゴロゴロしていたり。ここまでリラックスしたパンダはなかなか観られないのではないでしょうか。

関西空港から乗る飛行機の出発時間まで多少余裕があったので、車で10分ほどのところにある「アジサイ曼荼羅園」というところまで行くことに。西牟婁【むろ】郡上富田【かみとんだ】町にある救馬溪【すくまけい】観音の敷地内にあります。ここは飛鳥時代、修験道【しゅげんどう】の開祖・役行者【えんのぎょうじゃ】が開山したといい、その後953年空也【くうや】上人がみずから刻んだ観音像を奉安、のちに熊野詣に行幸された鳥羽天皇が堂宇を建立されたという歴史を持つ由緒深い寺院です。その一角に2002年オープンしたのが「アジサイ曼荼羅園」で、最盛期には約2000坪の敷地に120種・1万株のアジサイが咲き誇るとのこと。

ちょうどいまごろが真っ盛りでは……と期待しつつ行ってみましたが、最盛期にはもうひと息といったタイミングでした。それでも、けっこうアップダウンのある園内は花見客でにぎわっており、私たちも十分楽しませてもらいました。

「曼荼羅園」から関空まで車を飛ばし、レンタカーを返却。夕方の便で沖縄に。あわただしくも充実した1日でした。