今日でブダペストは最後

2017年11月1日

今日は水曜日ですが、「諸聖人の日」という祝日だそうで、ハンガリー全土がキホンお休み状態。ツアーメンバーの多くは、添乗員さんの引率で、トラムと地下鉄(ヨーロッパではロンドンに次いで2番目に古いとのこと)を乗り継いで、「英雄広場」の観光に出かけました。私たちは別行動で、朝食を済ませると(そう、サラミソーセージはやっぱりおいしかった!)、市内中心部のエルジェーベト環状通り沿いにある「カフェ・ニューヨーク」という店まで歩いて行きました。結婚して現在イタリアのフィレンツェに住んでいるわが社のスタッフが、以前ブダペストを旅したとき感動し、興奮のメールを送ってくれたことがあるからです。

船を出て30分ほど、9時半には着いていたのですが、7、8人の客がすでに並んでいました。しかも、待っている間に、あとから来た客が何組も、私たちを横目に中に入っていくではありませんか! なんと、予約してきているようなのです。カフェなのに予約とは……。でも、たしかに、そうしたくなるほどユニークな店でした。

IMG_2296何がユニークなのか? まず建物自体がとても大きくて重厚。店の中は大理石の柱に豪華なシャンデリアがしつらえられ、さらに天井画まで描かれています。壁紙、テーブル、イス……どれをとっても華やかできらびやか。ブダペストの数あるカフェのなかでももっとも有名だというのも納得できます。かつてはこの町の作家や芸術家、新聞・雑誌記者や編集者などが集まり、文学論、芸術論を戦わせるカフェとして一世を風靡したとも。いまは「ボスコロ」という5つ星ホテルの1階にあって、宿泊客が朝食を食べるスペースも兼ねているようでした。朝食の時間が過ぎれば、訪れてくるのはほとんどが観光客なのでしょうが、それだけに、一日中にぎわっているようです。

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私と家人はコーヒーとアップルパイを頼み、1時間ほどゆっくりしたあと、タクシーで帰ったのですが、大きな落とし穴にはまってしまいました。船が停泊している場所の地図を見せ、指で示しながら「ここまでね」と告げると、「OK!」。しかし、いざ走り始めると、どう考えても遠回りしているようにしか思えません。案の定、車を停めたのはまったく違う場所でした。「ここじゃないよ!」と、再度地図を見せて指示したのですが、自信なさげな顔をしてみせます。

しつこく説明してやっと理解したような表情を見せながら、そこからまた1キロほど走ったでしょうか。ようやく目的地に到着。ところが、メーターを見ると「6000フォリント」。日本円に換算すると3000円です。「えーっ!」と思いましたが、これはボラれたとしか言いようがありません。

悔しいので、部屋に戻ってネットで調べてみると、「ブダペストのタクシーには要注意」という内容の情報がギッシリ。基本料金は450フォリント、1キロメートルごとに280フォリント加算とあるので、それからすると、チップ込みでもせいぜい1200フォリントがいいところでしょう。ドライバーがどこをどう細工したのかわかりませんが、結果としては正規料金のおそらく7~8倍近くになっていたはずです。

そういえば、数年前、チェコの首都プラハ中央駅で、客に声をかけているタクシードライバーのあまりに怪しい雰囲気にビビったことがあります。このときはホテルに電話を入れ、迎えを頼んだのですが、それと同じなんですね。ネットの記事には、「見た目は黄色い車でタクシーにしか見えないのに、白タクもある……」とありましたが、まさしくそのパターンだったのかも。悔しいー! けど、仕方ありません。
午後は、バスでドナウベンド(「ドナウ川の曲がり角」という意味だそうです)地方に。最初に訪れたのはエステルゴムという古都。当初はブダペスト→センテンドレ→エステルゴムという行程だったのですが、エステルゴムの「大聖堂」が、休日のため午後4時で閉まってしまうことがわかったようで変更に。結果的には、遠いところ(=エステルゴム)に行って、センテンドレまで戻り、そこからまた、船が待っているエステルゴムまで戻るので距離的にも時間的にもかなりのロスになりました。

DSC03694エステルゴムの「大聖堂」はたいそう立派。そのわりに外装は質素で、中も派手な装飾を排した造りが印象的でした。裏側は絶壁になっており、そこに立つと、ドナウ川とその両岸の景色がパノラマのように見えます。この日も天気がよく気温が一気に上がったせいか、川面は水蒸気で覆われていました。そのため、遠くがあまり見えなかったのは残念でしたが……。

 

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エステルゴムからブダペスト方面に小一時間戻ったところにあるのが、“かわいい町”センテンドレです。到着したのは、日が沈む直前。小さな町なので、端から端までゆっくり歩いても20分足らず。石畳の道の両側はお土産屋さんが大半ですが、ときおりパン屋さんとか洋服屋さんが。どの店も個性的で、明るい時間帯だったら、ゆっくり中をのぞこうかという気にもなるのでしょうが、秋の日はつるべ落とし。どんどん暗くなっていくので、気もそぞろといった感じです。気温も下がっていくので寒くなり、早めにバスに戻ります。そこから1時間ほど走り再びエステルゴムに着くと、船が待っていました。

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