キルケニーで「アイリッシュパブ」を初体験

2017年8月12日

今日でアイルランドも実質最後の日。リメリックから北東に数十キロ走ったところにあるキルケニー(Kilkenny)をめざします。出発前に足を運んでみたのがリムリックの中心部にある「ミルクマーケット」。もともとは青空市場だったのでしょうが、そのまわりに建物が立ち、いまでは広場全体を覆う巨大なテントが。その結果、屋内・屋外一体となった市場になっています。毎週金・土・日の3日間開催されているマーケットはたいそうなにぎわいです。

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IMG_1712野菜、肉、パン、調味料、食料加工品が中心ですが、台所用品や衣服、アクセサリーなどを売る店も。昔は当たり前だった有機栽培の野菜や果物が所狭しと並べられ、その隣ではやはり、自家製のパン、チーズ、スイーツなどを売る店が。どれを見ても食欲をそそりますが、土曜日の朝とあって、とにかく人の多いこと。昼近かったこともあり、市場の2階に作られたフードコート風のスペースもほぼ満杯といった感じです。人口9万ほどの町ですが、人々の表情は生き生きしており、こうした場が存在することの意味を考えさせられました。

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DSC03085そのあと「ジョン王の城(King John‘s Castel)」の素晴らしい外観を眺め、「条約の石(The Treaty Stone)」と名づけられた記念碑をチェック。そして、市内を出てまず行ったのがキャッシェル(Cashel)という町です。ここには「ロック・オブ・キャッシェル」という有名な城があります。500年ほど前までこの地方の政治と宗教の中心地であった町を象徴する城は立派の一語。中の庭に広がる墓地に立つケルト十字やかつての聖堂跡の素晴らしさには感動しました。

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キルケニーに着いたのは5時少し前。市内で観たいところが2つあり、最初は「キルケニー城」を外から。いかにも立派なたたずまいで、前にある庭園も心が和みます。そこから車で5、6分の所にある「大聖堂」は、あいにく時間切れで中に入れませんでしたが、外壁の装飾は質素でも、歴史を感じさせる建物でした。ホテルにチェックインしたのは6時半ごろだったでしょうか。

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DSC03119私たちが止まったホテルはノア川のたもとに立っているのですが、そのいちばんの売りは、別の角度から観られる城の姿。ホテルはちょうどその向かい側にあるので、美しい姿を観ることができます。この城を観られる側と観られない側とでは宿泊料に4、5千円の違いがあるほど。ギリギリまで粘り、3、4日前にキャンセルが出て、やっと城が観える側の部屋を確保することができました。せっかくのチャンスですから、家人にも喜んでもらわないと(笑)。

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夕食は、ホテルの入口から道路を挟んだ向かい側、これも川べりにあるアイリッシュパブで。ほんの少し時間が早めだったせいか、あっさり席を確保でき、ゆっくり食事を楽しめました。夏休みでどこもかしこも混んでいる中、これはラッキー! 店の奥のほう、バーカウンターの前ではバンドの生演奏が。途中休みなしで、私たちが店を出る2時間後もまだ続いていました。

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IMG_1786店はその後どんどん客が入ってきます。なかには、タクシーに乗って駆けつけてくる人も。そのうち、店内は、立ち飲み客も出てきて、足の踏み場もない状態に。ウェイター、ウェイトレスはわき目もふらずに動いています。私たちのテーブルを担当してくれたのは、いかにもアイリッシュといった雰囲気のおやじさん。私はその男性に「アイルランドのテキパキおやじ」と勝手に名づけました。この道ウン十年といった感じの小気味よい動きがこちらを心地よくさせてくれます。こういう人が世界中に散らばっているのだろうなと。アイルランド人の誇りを感じさせるウエイターでした。

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IMG_1787アイルランドの名物パブでも、2、3年前から建物内でのタバコは禁止されています。そのため、スモーカーたちはちょっと時間があると店の外に出て、入口近くに置かれた大きな灰皿のまわりで一服。私も何回かそこに行きましたが、入れ替わり立ち替わり客が出てくるのには感心しました。それにしても、愛煙家というのは世界中どこに行っても、まめですね。

勘定を頼むころになると、店の混雑はいっそうひどくなっていましたが、テキパキおやじはさっと勘定書きを持ってきてくれました。現金で払い、しっかりチップをはずんだことは言うまでもありません。

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