霧に煙っていた「モハーの断崖」

2017年8月11日

朝からあいにくの雨模様。今回の旅で雨に降られたのは初めてです。今日はアイルランドでも屈指の絶景「モハーの断崖(Cliff of Moher)」に行くというのに、残念! 雨のせいか気温も低く、肌寒ささえ感じます。それでも気を取り直し、一路南西へ向かいました。

カーナビの指示に従って走るのですが、なぜか田舎道が多いのにはとまどいます。道路にはいちおう名前がついているものの、幅が狭く、くねくね曲がった道ばかり、道の左右は畑か森のどちらかで、たまに小さな集落がある──そんな感じです。にもかかわらず制限速度が80キロだったりするので、日本人の感覚ではどうにも納得が行きません。もちろん、街中に入ると60キロ→50キロとダウンするのですが、そのエリアから出るとまた80キロに。なかには、センターラインがないのに制限速度100キロなどという道路もありました。速く走れるのはありがたいものの、こうなると逆に神経を使わされ、いささか疲れます。

もう一つ、アイルランド(ヨーロッパではほかの国もほぼ同様ですが)の道路は、バンプというのでしょうか(ハンプとも呼ぶらしい)、道路が隆起している箇所がやたら多いのです。スピードを出したままでいるとガクンと揺れ不愉快きわまりないので、だれもがそこではブレーキを踏みます(そういえば、エジプトの砂漠を走る道でも見かけました)。もちろん、事故の防止が目的でしょうが、これもあまり多いとうんざりしてきます。逆に、日本も学校の近く、閑静な住宅街ではもっと導入したほうがいいのではないでしょうか。

IMG_1693さて、ようやく到着した「モハーの断崖」は人気観光スポットですから、大変な人の数。広い駐車場もびっしり埋まっていました。駐車場のはるか先、丘を昇ったところから、「断崖」らしきものが見えるようですが、あいにくの曇り空で、最初はうっすら、というよりほとんど何も見えません。それでも、2、3分経つとさっと霧が晴れ、姿をあらわすことがあります。ただ、絵ハガキやポスターで見るような美しく迫力のある姿とはほど遠い状態です。

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家人は早々にあきらめ、杖をつきながら入口近くにあるビジターセンターに戻り始めました。それでもあきらめきれない私は、「もうちょっと粘ってみよう」と思い、いちばんよさそうな場所で待ちました。2、3分経つとふいに霧が晴れ、わずかの間でしたが、絶壁がその姿をあらわしたのです。大西洋上に切り立つ断崖が海面から最上部まで見えると素晴らしい迫力。夢中でカメラのシャッターを押しましたが、その間にもまた雲に隠れてしまったりします。結局、それからは曇りっぱなしで、その姿を目にすることはできませんでしたが、一瞬とはいえその姿を観られ、遠路はるばるやってきた甲斐がありました。

「モハーの断崖」をあとにし、そこから車で20分ほどのところにあるバレン(Barren)へ。ここにある「巨人のテーブル」を観たかったからです。想像していたほどには大きくなかったものの、それでもその造形の不思議さには驚きました。何千年も前のお墓だそうですが、雨の中、駐車場から数百メートル歩き、間近で観たときの感動はなかなかうまく表現できません。

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今日の行程は以上。ここからホテルがあるリメリック(Limerick)の町までは30分ほど。天気もようやく回復し、最後は気持ちよく走れました。昨日泊まったゴールウェイの喧騒に比べると、リムリックの町はなんとも静かで落ち着いています。今日も早くからお腹が空いていたので、すぐ夕食に出ました。ホテルの近くで見つけたステーキレストランが大当たりで、味はもちろん、サービスのレベルも高いこと。大満足で店を出ました。

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