なんと、途中までボルトの前に日本人選手が!

2017年8月4日

IMG_1496今日から、今回の旅のメインイベント「世界陸上」がスタート。スタンドに座ると、今回は席がゴールラインのぴったり真上。それだけでも感激していた上に、100mの日本選手が3人全員が予選突破という快挙のおまけつき! もう、最高でした。1組のサニブラウンはスタートから最後までトップ。10秒05の自己ベストタイ。最後の6組に登場した多田は、途中までなんとボルトの前を走っていました。最後は4位でしたが、タイム順で拾われセーフ! 3組の飛鳥も4位でしたが、こちらもタイム順で予選を通過。明日の準決勝が楽しみです。

IMG_1113 IMG_1505DSC_0039 DSC_0044

 

DSC_0028今回は初めて、「初日」からの観戦となりましたが、驚いたのは表彰式のやり直しです。過去の大会でメダルを取った選手が、その後ドーピング検査でひっかかり失格になるケースがあります。それによって4位だった選手が3位に繰り上がったりすると、繰り上がった選手に改めてメダルが授与されるのですね。その授与式を初めて見ました。

 

その中に、なんと2009年大会の女子4×100mリレーで3位に繰り上がった国のメンバーがいました。4人のうち1人は何かの事情で来れなかったようですが、残りの3人は大喜び。同じく3位からの繰り上がりで銀メダルを受け取った女子選手は涙でくしゃくしゃ。圧巻は、1位が失格した2013年の女子4×400mリレー。3つの国のチーム全員がそろい、一ランク上のメダルをかけてもらっていました。国旗の掲揚こそないものの、国歌の演奏はあるので、スタンドは全員起立です。

この日のメインイベントは男子の1万。3連覇を狙うファラーが地元イギリスなので、スタートからゴールまでずっと大歓声。1万は最後の1~2周に来て、大きな歓声が沸くのが普通です。最後の1・2周を短距離並みのダッシュで競い合うことが少なくないからですが、今日は1周目からずっと「ファラー!」の大声援が途絶えません。30分近い時間ですから、女子棒高跳や男子円盤投げの予選に出ていた選手は大変だったでしょう。ファラーもそれに応えて優勝、もう化け物というか、神様というか、恐ろしい選手です。

DSC_0051 DSC_0055

この日の午前中は「大英博物館」に朝9時から並びました。いつ行っても行列している大英博物館ですが、今日はまた一段と長かったのではないでしょうか。というのも、「葛飾北斎展」があと1週間ほどで閉幕となるため、それを見逃すまいという人がいっぱい詰めかけていたからです。

IMG_1365

常設展示は無料の「大英博物館」ですが、こうした特別展だけは有料になります。日本を出るひと月前にサイトをチェックしたときは、好きな日の好きな時間帯に前売り券が買えるという感じだったのですが、7月25日ごろのぞいてみると、どの日のどの時間帯もすべてSOLD OUT! 「ご覧になりたい方は、当日の朝9時から並んでお買い求めください(それでも早い者勝ちなのでチケットが入手できないこともあります)」とあったので、こうした事態になったのです。

IMG_1363

ホテルから「大英博物館」まではタクシー。降りると、早くも100人以上の列が。「うひゃー!」と一瞬ドッキリしましたが、開門と同時にどんどん人がハケていきます。しかも、門をくぐるとすぐ、女性の職員が私たちに声をかけてくれました。家人の杖が目に入ったのでしょう、「体の不自由な方はこちらからどうぞ」ということで、敷地内に入っても蛇行しながらゆっくり進む列とは別に、建物まで最短距離のコースで行けました。こなるともう“魔法の杖”ですね!

チケット売場で「車イスを借りたいのですが」とお願いすると、「入口を入ったすぐ脇にありますよ」と教えられ、私が列に並んでいる間に家人が車イスを借り、自走させながら戻ってきました。しかも、チケットの値段がえらく安くなっています。車イスの家人はなんと無料、付き添いの私も通常のおよそ半額で済みました。なまじネットで前売りチケットを買えなくてよかったというのもおかしな話ですが、結果としてはそういうことになったわけです。

DSC02655さて、「北斎展」のほうですが、これがまた素晴らしい内容。というか、私たちが認識していた北斎とはまったく別の面があることを知らされました。「富嶽三十六景」だけが北斎ではないのです。ある版元がスポンサーについており、そのリクエストに応じてほとんどなんでも描いていたようで、「えーーっ、何、これ?」と思うような絵もいっぱいありました。私たちが見慣れている北斎の作品より、そっち系のほうが多かったので、北斎の意外な一面を学ばせてもらった感じがします。帰りにミュージアムショップで、35ポンドもする高価公式カタログをつい買ってしまったほどです。

IMG_1895  IMG_1894

そのあと、20年以上前に来たときは混雑して観られなかった展示室を中心に、さらに小1時間ほど中を回りました。昨年行ったカイロの「エジプト考古学博物館」とはまた違う古代エジプトの作品を観たり、そのエジプトの敵だったアッシリアの美術作品も数多く展示され、興味は尽きません。そもそもこの大英博物館を1回や2回で全部観て回るなどというのは無理な話で、「続きはまたこの次……」と自分に言い聞かせながら、博物館をあとにしました。

DSC02635 DSC02631

DSC02636 DSC02645

次に訪れたのは「ナショナル・ポートレート・ギャラリー」。こちらは「大英博物館」ほど大きくはありませんが、やはり大変にぎわっていました。入場は無料ですが、建物の素晴らしさはさすがという感じがします。

DSC02657 DSC02659

3時前にホテルに戻りひと休みしてから、いよいよロンドンスタジアムへ出発。こちらも、体が不自由な観客は、ストラッドフォード(Stradford)という最寄りの駅から専用のシャトルバスが用意されているのです。それに乗せてもらい、車イスを貸し出してもらえるところまではすんなり行けました。そのすぐ近くの入口からスタンドに入り、上の階のホスピタリティーゾーンまではボランティアの方に介添えされ、観戦が終わったあとの段取りもていねいに教えてくれます。こうした態勢は実に行き届いていますね!