京都っぽくない名前の「城南宮」で、しだれ梅を堪能

2017年3月7日
明日・明後日と京都で所用があり、今日は前泊の予定です。「いまごろは梅が満開じゃないかしら。せっかくだから観てみたいわね」という家人のつぶやきが聞こえました。そういう話なら、即ノリです。どうせならということで、早起きして午前10時過ぎに京都着の「のぞみ」に乗りました。

最初に行ったのは、京都駅からJR奈良線で30分ほどのところにある山城青谷【あおだに】。その近くにある「梅谷梅林」が目的地。ちょうど「梅まつり」の最中で、期待しながら向かいました。ここは、梅がたくさん植えられている庭園ではなく、いわゆる生産農家が小高い丘全体に梅を栽培しているという触れ込みだったからです。有名な北野天満宮の梅とはかなり様子が違うのではないかと。
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しかし、残念なことに花の開きがまだ二~三分で、全然物足らないのです。金曜日なので、それなりに人が訪れてはいましたが、「ワーッ!」とか「すご~い!」といった歓声は聞こえてきません。

このままでは……と思い、急遽方針を転換。近くに別の梅見の場所はないかと、タブレットで探すと──、ありました! 同じ奈良線で少し京都方向に戻り、近鉄電車に乗り換えてすぐのところに、「城南宮」というやはり梅の名所が。画面を見ると「満開」とあり、そちらに行くことにしました。

途中昼食をはさみ、午後2時ごろ到着。最寄駅は近鉄奈良線の竹田で、駅から徒歩15分のところにあります。ただ、途中の道筋は京都らしい風情がほとんどなく、ホントこんなところにあるのだろうかと心配になりました。「城南宮」という名前も、いまひとつ京都っぽくありません。「宮」というので、最初は皇族の別邸のようなところをイメージしていたのですが、なんのことはない、神社なのです。たしかに、神社も「宮」といいますからね。

しかし、これが大ヒットでした。神社に付随する庭園の一角(といっても広いですよ)に、しだれ梅がびっしり。どの木もホント満開でした。梅は、咲いている期間が長いのが桜と違いますが、これだけ素晴らしい花を咲かせていれば、さぞかしたくさんの人が観に訪れるのではないでしょうか。

!cid_5d2f4521-d956-4f7b-a2cf-d169522673a4@apcprd04_prod_outlookちなみに、今回初めて知ったのですが、「城南宮」の創建は794年で、白河天皇が「鳥羽離宮(城南離宮)」を作られたのを機にその一部となったとのこと。歴代の天皇・上皇もしばしば訪れておられるようです。位置的に京都御所の裏鬼門にあたることから、貴族の方違【かたたがえ】用の宿所として用いられ、方除【ほうよけ】の神として信仰を集めた時期もあったといいます。その後応仁の乱で荒廃したものの、江戸時代に復興。1868年の「鳥羽・伏見の戦い」では主戦場となったそうです。

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梅が植わっているのは「春の山」といに名の庭園。ほかにも4つの庭園が配されていました。それぞれ個性があり、あっという間の1時間でした。
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