奈良の旅③法隆寺 見れば柿より うなぎかな

●3日目のメインは法隆寺ですが、その前に、橿原市内の今井町を訪れました。戦国期から、のちに称念寺となる御坊を中心に発達した寺内[じない]町で、周囲を堀で囲み、部外者の干渉を許さなかった自治都市。安土桃山時代・江戸時代には、「海の堺、陸の今井」「大和の金は今井に七分」と言われるほど、繁栄を謳歌したそうです。
●今井町は東西約600m、南北約310mで、面積は17.4haほど。重要伝統的建造物群保存地区にも選定されていて、域内760戸のうち3分の2が伝統的建造物。一地区内の数としては日本一だそうです。電柱・電線の完全な地中化も進んでおり、”歴史的町並みファンにとっては垂涎の的かもしれません。
●午後は斑鳩[いかるが]の里・法隆寺へ。今回が2回目ですが、資格を持ったガイドさんがつきっきりで説明してくれるので、そのすごさがよくわかりました。━━五重塔が実は一階建てで、真ん中に立つ一本の芯柱で全体を支える免震構造になっている。東京スカイツリーもそれにヒントを得て作られた。日本でいちばん多くの国宝(38点)を持つ寺である等々。まあ、そうしたことを知らずとも、1300年前に建てられた世界最古の木造建築物だというだけで十分ではあるのですが。
●ただ、この日いちばんの感動は夕食のうなぎ。蒲焼きと白焼きをいっぺんに味わえる「あい乗せ重」なるものをいただきました。こんな食べ方は初めてです。場所は興福寺に近い料亭「菊水楼」。皇族の方も来られるくらい格式が高いというのでビビりましたが、うなぎを供する「うな菊」はその脇にある別棟ですし、店員もツナギのユニフォーム姿だったので、普通に食べられました。値段も平均的ですし、奈良に行かれた際はぜひお試しあれ。(2021/11/29)

Facebook Post: 2021-12-01T18:32:48