京都で見つけた名古屋の”飛び地”

●話は前後しますが、京都の4日目(12/15)は終日完全フリーでした。実を言うと、今回のツアーで最大の魅力はこれ。ツアーといえば、出発から解散まで、添乗員の掲げる小旗のもと完全団体行動というのが常識です。旅先でそんな一団に出くわすと、「ああまでして……」と、これまでは正直思っていました。
●ただ、歳を重ねるにつれ、悔しいことに、スーツケースの重さが体にこたえるように。でも、ツアーだと自力で運ばなくてもいいのです。一度その恩恵にあずかってしまうと、もういけません。以来、海外旅行も3回に2回はツアーで参加しています。それでも、根が団体行動嫌いなので、個人で動ける比率が高い今回のようなスケジュールはとても好都合です。
●というわけで、この日は蓮華王院三十三間堂へ。金色の千手[せんじゅ]観音が1001体ずらり並んでいるのはやはり壮観です。その向かいにある国立博物館、豊国神社、方広寺、東側の妙法院、智積[ちしゃく]院まで含めた広大な地に、奈良のそれをしのぐ大仏を建立させたのは豊臣秀吉。大仏殿はいま豊国神社が建っているあたりにあり、全国から参拝客が訪れたといいます。
●その後大仏は地震や火災に遭い、そのたびに再建されたものの、1973年の火事で完全に消滅。方広寺には例の「国家安康」の文字を刻んだ巨大な鐘もありました。「家」と「康」が切り離されているのはけしからんと家康が怒り、大坂の陣につながったという話で有名な鐘です。豊国神社には秀吉が祀られており、この一帯はさながら名古屋の”飛び地”状態でした。(2021/12/16)

Facebook Post: 2021-12-21T16:01:42